研究課題
まずはじめに、個別言語担当者は音韻構造担当者と打ち合わせをしながら、各言語の音韻構造に関する重要側面(音素体系と弁別特徴のほかに音韻規則と音韻制限)を明らかにする初期報告を作成した。5月中旬に東京外国語大学で研究組織全体の会合を開き、上記報告書にもとづく情報交換と討議を行って第1回目現地調査で実施する資料収集の枠組みを決定した。また、組織メンバーの年間の日程調整をしながら、今年度のスケジュールについて討議した。インドネシア語、バリ語、韓国語、グイ語、日本語方言に関して、調査対象とする音範疇の刺激音源録音のための適格話者獲得と、録音実施と、来年度以降聴覚実験に協力してくれる現地研究協力機関との具体的な実験予定の協議を行った。聴覚実験担当者は、学生アルバイトの補助をうけながら、刺激音源の編集をして、来年度以降使用する聴覚実験用刺激音セットおよび実験回答を作成した。聴覚実験を実施した言語は、ラオ語(声調)、インドネシア語・バリ語(母音)、韓国語(破裂音)、ロシア語(破擦音と摩擦音)、イタリア語(アクセント)である。また、刺激音作成と同時進行で、母音および声調を使う実験のために、実験プログラム担当者(望月)と共同で、E-Primeを用いた反応時間測定を含む実験のプログラムを完成した。さらに、実験結果データ集計のための入力テンプレートの準備を、資料集計担当者(降幡)と共同で開始した。上記の5言語のうちラオ語と韓国語、ロシア語、イタリア語に関する実験調査の結果は、基礎研究的ならびに応用研究的な初期報告として、それぞれ音声学会と外国語教育学会で研究発表を行った。以上の実験調査および現地調査の展開に平行して、母音のフォルマント計測値を、ヘルツだけでなくより聴覚に近似の距離を布置できるような非線的スケールをもちいたグラフへの布置が可能になるソフトを設計し試用を始めた。
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中日理論言語学研究会『中日理論言語学研究会第16回研究会発表論文集』
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