研究課題
今年度は、本研究課題の実証的側面での取組みとして、琉球語宮古多良間方言の母音体系とそれに関連する歴史的音変化【研究協力者青井担当】、スンダ語(7母音)【研究分担者降幡担当】やバリ語(6母音)【連携研究者原担当】の母音体系、上海語の声調サンディー【研究協力者高橋担当】とラオ語の音声的声調変異【研究協力者柳村担当】、グイ語(コイサン)の語根の音素配列論および声調と「表意音」【研究代表者中川担当】を射程として、それぞれの調査目的と調査段階に応じた、音響的分析および聴覚音声学実験、音韻構造的な調査・分析を実施した。これらの結果、音響的・聴覚的な事実と音韻構造的特徴の関係にかかわる多くの新知見をもたらされ、その成果の一部は、国内外の学会発表および複数の学術論文として公開することができた。これまでに蓄積してきた新資料に基づき、音韻構造と聴覚音声学的事実がいかなる関係にあるかという問題を探求しながら、音韻特徴理論の中に聴覚音声学的知見をどのように位置づけることが可能かの討議を開始した【中川、柳村、高橋、青井担当】。また、これらに加えて、本研究課題の応用研究的側面にも着手し、2010年度に開催する予定の発音学習に関わる公開シンポジウムの準備【研究分担者佐野担当】も進め、その過程で、外国語教育学会での研究発表【研究分担者鈴木担当】という成果も生み出された。さらに、シンポジウムで取り扱う事例研究として、日本語母語話者によるインドネシア語発音【原担当】とカンボジア語【研究分担者上田担当】発音の問題を扱うことを決め、それに関する具体的トピックについて佐野、中川と討議を行い、「インドネシア語の"ng"習得のストラテジー」と「カンボジア語の末子音と気音」を取り上げることにした。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (13件)
大阪大学世界言語研究センター論集 3
ページ: 247-260
東京外大東南アジア学 15
ページ: 1-17
Working Papers in Corpus-based Linguistics and Language Education 5(未定)
コーパスに基づく言語学教育研究報告4コーパスを用いた言語研究の可能性II
ページ: 237-258
Working Papers in Corpus-based Linguistics and Language Education 3
ページ: 45-52
コーパスに基づく言語教育研究報告 3「フィールド調査、言語コーパス、言語情報学」
ページ: 225-239
ページ: 241-263
外国語教育研究 第12号
ページ: 39-57