研究課題
2010度は当初の予定通り、本プロジェクトの応用研究の側面での研究成果の一部を公開し、さらに問題の探求をはかるために、公開シンポジウム「音声・言語とその教育応用」を5月26日に東京外国語大学にで開催した。佐野洋(研究分担者)をオーガナイザとして、カンボジア語(上田宏美研究分担者)、インドネシア語(原真由子連携研究者)、日本語(金愛子研究協力者)の発音学習における諸問題についての報告を受けて、降幡正志(研究分担者)のコメントを中心として、聴覚音声学的事実と音韻的構造との密接な関係が、発音の問題のメカニズムの解明にどう役立つかを具体事例を使いながら討議し、新しい知見を共有することができた。シンポジウム後に中川裕は3人の報告者と議論を進め、成果の論文による公開の準備をしている。研究代表者は大阪大学の連携研究者研究室を訪問し、シンポジウムの成果について集中的な討議を行い、その結果、成果は報告書として公開されることになった。2010年度の後半は、琉球語奄美方言の喉頭化ソノラントに関する聴覚・音響的な特徴の調査研究と、それに類似するコイサン語の喉頭化ソノラントの通言語的比較研究を行った(中川および研究協力者青井隼人)。この成果の一部も報告書として公開されることになった。また、中国語(普通語)のストレスの聴覚音声学的事実の考察、上海語の声調サンディーの音声的詳細(研究協力者高橋康徳)とラオ語の声調の変異(研究協力者柳村裕)、グイ語(コイサン)の音韻構造と「表意音」という語クラスの関係(研究代表者)についての研究成果の一部が国内外で複数の学術論文として公開された。なお追加の奄美大島調査を予定していたが大震災で中止された。この調査のための経費は翌年度に繰越すことが認められたので、2011年7月31日から8月7日までに実施し、当初の目的を果たすデータを収集することができた。
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