本研究は、一見混沌とした音韻類型に関わる問題を整理・統合し、音韻類型を捉えるのに相応しいモデルを打ち立てることが目的である。具体的には、従来の視点に加えて、 (1)ボトムアップの次元(帰納的方法論) (2)トップダウンの次元(演繹的方法論) (3)パラレルな横の次元(相関関係に基づく類型) という三つの視点から音韻類型を捉えなおすというのが、本研究の基本的な計画である。 (1)においては、通言語的にどのようなタイプが存在し、どのように一般化できるかを追求する。 (2)においては、言語類型に存在する含意関係や階乗類型について、存在する型と存在しない型を予測するにはどのような理論体系でなければならないか、最適性理論の成果を活用して、追求する。 (3)では、音韻構造相互の相関にとどまらず、音韻構造と形態構造、統語構造の相関について、その妥当性を検証し、説明理論を構築することを追求する。 上記のような目的を達成するための具体的な研究計画は次のようになる。 (4)月例の研究会と海外の研究者を招聘し、全体的な研究発表会の開催 (5)代表者と分担者各自の国内外の学会での研究成果の発表、論文、著書の執筆 (6)音韻類型アーカイブの構築
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