研究課題/領域番号 |
20242012
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 敏子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80151520)
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研究分担者 |
林 譲 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00164971)
榎原 雅治 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40160379)
石川 徹也 東京大学, 史料編纂所, 教授 (20041808)
鴨川 達夫 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (60214566)
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キーワード | 日本史 / 荘園絵図 / トレース図 / 釈文図 / 地理情報蓄積システム / 荘園絵図模本データベース |
研究概要 |
本課題では、荘園絵図の調査を実施しながら、その調査を集約したトレース図・釈文図を作成し、荘園絵図研究の基盤を整備するとともに、その成果の公開方法についても、紙媒体の書籍以外に、インターネットを利用した方法等について研究試行することを目指した。 1、荘園絵図の原本調査・現地調査については、金沢文庫・大分県立歴史博物館・山口県文書館・松尾大社・八坂神社等の機関所蔵者の絵図や、「但馬国出石神社領神戸郷絵図」「丹波国吉富荘絵図」等について実施し、下書きの角筆線の存在など原本観察でなければ得られない情報を得ることができた。 2、トレース図については、日本画家により「山城国乙訓郡勝龍寺近隣指図」以下7点を作成し、「大和国佐保新免田土帳-」以下13点の補正を行った。またトレース図に文字情報を付加した釈文図も作成して、研究成果のひとつとしての『日本荘園絵図聚影釈文編2(中世編1)』の出版に備えたが、これについては現在のところ刊行が少々遅延している。この課題については、引き続き取り組んでいく必要がある。 3、昨年度の繰越し分として、「地理情報蓄積システム」を構築することができた。本システムは、史料編纂所のSHIPSデータベースシステムとAPIを介して連携しており、登録データにつき典拠情報ほかの各種メタデータを自動付与することが可能となっている。このシステムの開発により、既存の地名辞書の体系とは独立した、より現実の史料に即した帰納的な地名情報の蓄積が可能となった。従来の地名辞書に位置づけられなかった地名を検出・蓄積することができると期待されるとともに、地名情報を必要とするさまざまな研究支援に応用できる発展的なシステムであると考えている。
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