研究課題/領域番号 |
20242013
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
秋田 茂 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10175789)
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研究分担者 |
水島 司 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70126283)
杉原 薫 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60117950)
久保 亨 信州大学, 人文学部, 教授 (10143520)
斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
川村 朋貴 富山大学, 人文学部, 准教授 (80377233)
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キーワード | グローバルヒストリー / 長期の18世紀 / 東アジアの奇跡 / 経済発展経路 / 経済援助計画 / アジア世界史学会 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
研究概要 |
1.「長期の18世紀」の世界史像を再考するため、斎藤の近著『比較経済発展論』(岩波書店、2008年)を総合的に検討するとともに、08年11月初旬に、国際経済史学会組織委員会の研究者を招聘して、京都大学グローバルCOEプロジェクトと共催で、Multiple Paths of Economic Development in Global Historyと題する二日間の国際ワークショップを開催し、世界経済の発展経路に関して、労働集約的東アジア型、資源集約的ヨーロッパ型、環境制約・資源エネルギー節約的熱帯型の三類型を析出した。 2.20世紀後半の「東アジアの奇跡」の歴史的起源を考察するために、英国・グラスゴー大学のCatherine Schenkを招聘して、1960年代のアジア国際経済秩序とスターリング圏の崩壊過程が相互に連動している点を確認した。さらに、08年8月に3名の外国人研究者(Bruce Cumings, Ilya Gaiduk, Gerold Krozewski)を招聘して、1950-60年代のアジア国際秩序の変容と工業化の進展が、コロンボ・プランをはじめとする経済援助計画と冷戦の展開、世界銀行に代表される国際機構の登場と連動していたことを確認した。 3.アジア太平洋地域におけるグローバルヒストリー研究をさらに推進するために、新たな国際学会「アジア世界史学会」(AAWH : Asian Association of World Historians)を立ち上げ、09年5月末に大阪大学で第1回国際会議を挙行した。「世界史研究と世界史教育」をテーマに、中央ユーラシア史、アジア国際関係史、海域アジア史、歴史教育比較を論じた。西欧中心史観から脱して、トランスナショナルな歴史研究を推進するために、広域の地域論、ネットワークを重視する必要があることを確認した。 4.研究成果を、08年6月のドイツ・ドレスデンでのThe 2nd European Congress in World and Global History(ENIGH)、08年11月の韓国・光州でのThe 3rd Korean-Japanese Forum for British Historyなどの国際学会で発表した。また、09年3月に淡路夢舞台国際会議場において、米国・テキサス大学のGeorge Souza氏を招聘して、3日間の国際ワークショップを実施し、「長期の18世紀」「東アジアの奇跡」両研究班の研究課題の連関性(アジアの相対的自立性、ヨーロッパ中心史観の相対化)を再確認した。同時に、「長期の18世紀」班に関して、具体的な研究テーマとして、"Asian port-cities and its Hinterland"の枠組みを議論した。
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