本研究は八重山地域における狩猟採集経済社会の段階と水稲農耕社会の段階とにおける周辺環境との相互作用の差違および共通性を解明すべく実地研究を進め、島嶼部という外部の社会的要因を受けにくい閉鎖的環境のもとで把握される様相はモデル化が容易であるという特性を活かし、人類史の枠組みとして調査成果の再構成を目指すものである。同時に考古学・生物学という各専門領域を横断したところに掘り下げるべき課題を設定し、学際的融合型の実地調査・研究を構築している。考古学は3チーム・生物学は1チームの全4チーム構成であり、西表島地域の網取遺跡・祖内遺跡および周辺環境の調査を軸とし、比較対象として宮古島の長墓遺跡の調査を行っている。 このような調査体制のもと、八重山地域における原始古代から近世にかけての人類の活動が周辺環境に与えた影響および人為景観の具体像の把握を目指すものである。
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