研究課題
共同研究の最終年度を迎え、まず研究重点型大学連合(IARU)との協力による研究について、グループA「安全保障概念における利益体系と信条体系」に関する研究のとりまとめを、ウィリアム・タウ(オーストラリア国立大学教授・本研究班主任)による課題設定のもと、栗栖薫子と西谷真規子が行った。主要な論点はテロリズムを始めとする非国家的行為主体による脅威醸成である。次に、グループB「国際政治における権力配分の変動と国際紛争」においては、東アジア安全保障研究プロジェクトのプリンストン大学側責任者ジョン・アイケンベリー教授と、東京大学側責任者藤原帰一(研究代表者・本研究班主任)の協力により、主として東アジアにおける中国の相対的台頭が脅威認識をどのように変えているのかについて検討を行った。その成果は、2010年12月10日・11日に北京大学を会場として開催された五大学東アジア安全保障研究プロジェクトワークショップにおいて発表された。代表者・分担者による研究報告は研究集会提出ペーパーとプレゼンテーションという形態をとっており、学術誌に採択・掲載された論文はまだない。現在のところ、Politics and Society誌の特集号に掲載すべく、編集部と契約交渉を進めている。