研究課題
平成20年度の科学研究費でおこなった研究の実績は(研究発表の論文に即して)つぎのようにまとめられる。(1)"Price Impacts、、、"(共著、橋本優子、出版済)では、為替市場で、取引が売り手主導でおきたか、買い手主導でおきたかにより、その直後の価格の変動におおきな影響を与えることを、厳密に統計手法で長期間にわたって実証分析した。この論文により、厳密な統計手法をつかった分析が確立されることとなった。(2)"Effects of Japanese Macroeconomic、、、"をいくつかの学会、研究会で発表した(未出版)。この論文は、日本のマクロ統計発表直後に円・ドルレートがどのように変化するかの研究で実際の為替取引データ(EBSデータ)を使い、かつマクロ統計発表の「予想外の値」を厳密に定義、分析した。この論文はこの分野では分析の標準をあきらかに大きく高めたものとなす。今後、コメントなどを参考に改訂のうえ、投稿の予定。(3)なお、研究実施計画にあったとおり、このEBS高頻度データについて、2006年-2008年分のデータを購入することができた。購入が年度の終わりに近かったことと、膨大なデータであるため、まだ分析の準備段階であり、具体的な成果にはいたっていない。次年度以降の研究成果につながる予定である。(4)為替レートと国内物価の関係についての研究が専門雑誌に掲載された。"Exchange Rate Changes、、、"(共著、佐藤清隆)では、通貨危機により大きく為替が減価したときに、国内物価のインフレが起きるかどうかについて、危機後のアジア諸国に焦点をあてて研究した。このように為替レートからインフレへの影響について内生性に配慮しつつ分析したことはこの研究のおおきな貢献である。
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Journal of Money, Credit, and Banking 40(7)
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