研究課題
平成23度は前年度の研究結果に基づき、次のような研究を行った。まず、新たに得られたデータを加え、前年度作成したデータベースの拡張を行った。併せて、データベースを使いやすさや作業効率の向上のため、データベースを管理するプログラムの改良等の作業を行った。つぎに、大規模個票データ分析のための手法・モデルの理論的な分析を行ない、病院間の在院日数の計量モデルを新たに提案した。このモデルは,Coxの比例ハザードモデル(proportional hazard model)などの既存のモデルを代替するもので,病院ごとに在院日数の分散が異なるなど、これまでの分析モデルと異なり分布が不均一性のもとでも分析を可能とするものである。さらに、改良されたデータベースを使って、我が国の診療報酬制度の大改革であるDPC(Diagnosis Procedure Combination,診断群分類)による包括払制度(DPC/PDPS(per-diem payment system))の影響の評価・分析を行った。提案されたモデルを用いて、白内障および糖尿病における在院日数の分析を行った。白内障および糖尿病は、人口の老齢化等の要因により、増加しており、その分析は我が国の医療効率化を考える上で、非常に重要なものとなっている。白内障の分析の結果、DPC/PDPS度は在院日数を短縮したが、その影響は病院ごとに大きく異なっていることが認められた。また、糖尿病においても同様に病院ごとの大きな差が認められ、さらなる医療資源の有効活用にはその傷病の特性を考慮した制度設計の重要性を失した。また、開発された手法・モデルを使って関連する分野に応用し、実証研究を行った。研究成果は合計17編の論文(査読付論文15編)などとして発表している。また、10件の学会発表を行っている。この他、本年度は3編の著書を刊行している。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (10件) 図書 (3件)
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