研究課題
研究代表者の飯島は、当該企業のBPO(ビジネスプロセス志向性)が高いことが、IT投資を有効に利活用するための重要な要因であることを、文献及び大規模調査によって明らかにするとともに、計画的行動理論にもとづき、BPOが意識を行動に、行動を成果に繋げることに寄与することを明らかにした。また、企業活動が「人間活動システム」であるという観点から、ひとのつながりに焦点を当てたBPMの方法論であるDEMOについて、様々な観点から研究を進め、広く普及に努めた。研究分担者の蜂谷は、競争優位の源泉としてのITが企業のパフォーマンスにどのような影響を与えるかについて研究を行った。本年度は実証的な検証可能性を中心に検討を行い、ITの近接領域として、データの抽出が容易な無形資産を取り上げ、企業の競争環境や資源制約を所与としたときに、どのような無形資産投資が市場評価に対して、より効果的かを検証した。この成果をまとめた論文はIJTM誌で受理された。研究分担者の妹尾は、IT投資の成果に影響を与える組織特性について、昨年度とは異なる分析単位(昨年度は企業業績だったが、本年度は事業業績)を用いた分析を行い、ある時点での静的な事業業績(市場シェア)ではなく、動的な事業業績(市場シェア動向)の方が、知識創造プロセスとの結び付きが強いことを明らかにした。また、「知的生産性向上における個人と組織の結びつき」についての分類と整理を行い、知的生産性研究委員会や著書を通じて発表した。研究分担者の平野は、昨年度までの成果に立脚して、IT投資が経営価値に影響を与えるいくつかの局面について研究を進めた。組織IQやアウトソーシングの効果について、一定の成果を得ると共に、定量的な測定が難しいときの効果の測定法としてのBSCの有効性を検証した。また、中小企業とB2C型eコマースを対象に、文化が経営価値に及ぼす影響についても考察した。
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Pacific Asia Journal of the Association for Information Systems
巻: 2 ページ: 67-88
International Journal of Technology Management
巻: forthcoming ページ: forthcoming
http://www.is.me.titech.ac.jp/itvalue/