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2009 年度 実績報告書

財務報告の変革に関する総合研究

研究課題

研究課題/領域番号 20243027
研究機関早稲田大学

研究代表者

廣瀬 義州  早稲田大学, 商学学術院, 教授 (80140739)

キーワード財務報告 / EBR / EFR / 企業価値 / インタンジブルズ / 非財務情報 / 知的財産 / 財務報告の諸概念
研究概要

本年度は、まず昨年度に行った現行財務報告制度の分析について補完を行った後、そこまでの成果をふまえて、報告システムおよび測定システムを改善し、バリュー・ドライバーである非財務情報を会計の俎上に載せるための新たな制度設計を模索した。
EBRは財務報告を会計の最終章と位置づける本特別委員会の研究スタンスとは異なるばかりではなく、EBRには現在のところ、具体的に企業価値を計算できるモデルの開発ができていないなどの問題点があることを明らかにし、財務報告を大きく変革する日本版EBRとしてEFR(Enhanced Financial Reporting)を提言し、世界に発信することを試みた。すなわちEFRと対をなす企業価値評価モデルの具体例として「コックピット・モデル」を策定して、企業価値を「見える化」することにより、企業価値が企業活動のどこで創造され、どこで向上されるのかを財務報告上で示すリポーティング・マップを提示した。また、将来、財務報告の変革等について再び検討する場合に参考となりうると考えられるEFRの基礎概念についても提示した。
最後に本年度の成果の特徽は、第1に欧米のモノまねではない日本発財務報告モデルを提示したこと、第2に外部報告すなわち財務会計の視点からだけではなく内部報告すなわち管理会計の視点からも議論を展開していること、第3に先行研究の調査をふまえて実証研究を実施し、非財務情報の有用性を示すとともに、財務報告のあり方を考察していること、第4に制度または会計基準の設定を前提にする概念フレームワークとは一線を画し、近い将来には制度になりにくいもの、さらには制度化をまったく考えていないものも包含しうる財務報告の基礎概念を明らかにしたことなどである。わが国会計学研究の発展にいささかなりとも寄与できたのではないかと自負している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] IFRSのアドプションと財務報告の変革(第1回SEC編)2010

    • 著者名/発表者名
      広瀬義州
    • 雑誌名

      企業会計 62

      ページ: 115-125

    • 査読あり
  • [雑誌論文] EBRと財務報告の変革(第2回AICPA編)2010

    • 著者名/発表者名
      広瀬義州
    • 雑誌名

      企業会計 62

      ページ: 273-283

    • 査読あり
  • [学会発表] 財務報告の変革に関する研究―最終報告2009

    • 著者名/発表者名
      広瀬義州
    • 学会等名
      日本会計研究学会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      20090900
  • [図書] IFRS財務会計入門2010

    • 著者名/発表者名
      広瀬義州
    • 総ページ数
      238
    • 出版者
      中央経済社
  • [図書] 日本会計研究学会特別委員会 最終報告 財務報告の変革に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      広瀬義州
    • 総ページ数
      127
    • 出版者
      日本会計研究学会

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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