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2011 年度 実績報告書

発達障害が疑われる非行少年の包括的再犯防止対策

研究課題

研究課題/領域番号 20243033
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 康雄  北海道大学, 大学院・教育学研究院, 教授 (20171803)

研究分担者 村瀬 嘉代子  北翔大学, 人間福祉学部, 教授 (70174290)
橋本 和明  花園大学, 社会福祉学部, 教授 (80434687)
松浦 直己  東京福祉大学, 大学院・教育学部, 教授 (20452518)
松嶋 秀明  滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (00363961)
久蔵 孝幸  北海道大学, 保健センター, 講師 (00451443)
キーワード児童自立支援施設 / 発達障害 / 自立援助ホーム / 非行 / 生活 / 再犯防止
研究概要

本研究は、児童自立支援施設と退所後に復帰する地域を対象とし、(1)施設に暮らす子どものアセスメント(2)施設機能の検証(3)再非行防止のための心理教育プログラムの開発と効果測定(4)地域社会での自立を保障する地域環境作りの4段階の研究開発することで、発達障害が疑われる子どもたちへの包括的な再犯防止対策を構築することを到達点とし、児童自立支援施設におけるA.子ども調査,B.職員調査,C.心理教育プログラム検討,D.地域環境調査・整備の4つの研究を構成した。22年度は,調査対象施設を夫婦小舎制から交代制の施設での聞き取り調査へ広げて実施した。さらに20,21年度のデータをもとに,関西(於,京都の花園大学)と関東(於,埼玉の武蔵野学園)の2カ所でフォーラムを開催した。その意図は,外からの意見や考えを取り組み,相互交流を図りながら最終的な研究結果につなげていこうと考えたからである。調査研究を進めていくなか,社会的養護にある子ども達と育てる職員との生活空間における関係性の構築の重要性が改めて強調された。インタビューやアンケートからは,子どもの未来を信じるなかで,人が人を護り,育てていく様子が多くの職員からうかがえた。職員の語りには,職員が子どもたちに対峙するために,それぞれの施設に職員個々が培ってきた子ども観や人生哲学とも呼べる理念が存在しており,まさに生き様を見せた養育でもあった。と同時に,親ではない,短いつきあいのなかでいかに凝集した出会いを示すかに心を砕いている様子も見て取れた。本研究は職員へのインタビューと参与観察,さらにアンケート調査から,施設のあるべき姿,子どもたちの抱えている課題,生活を支える保護因子などについての検討を行い続け,最終的に「児童自立支援施設で生活するという意味」について研究者で充分に議論をし,児童自立支援施設で生活する子ども達,それを見守り,育む職員との関係性を改めて問い直すことで,子ども達の健全な発達,成長を考えることの重要性が明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 情緒障害児短期治療施設の可能性-発達障害と生活の視点から-2011

    • 著者名/発表者名
      田中康雄
    • 雑誌名

      心理治療と治療教育-全国情緒障害児短期治療施設研究紀要-

      巻: 22 ページ: 29-33

  • [雑誌論文] 虐待を受けた子どもの生活を支える2011

    • 著者名/発表者名
      村瀬嘉代子
    • 雑誌名

      臨床心理学

      巻: 11 ページ: 636-641

  • [雑誌論文] 生活障害としての発達障害~教育と医療の共存~2011

    • 著者名/発表者名
      田中康雄
    • 雑誌名

      北海道児童青年精神保健学会会誌

      巻: 24 ページ: 2-18

  • [図書] 発達支援のむこうとこちら2011

    • 著者名/発表者名
      田中康雄
    • 総ページ数
      241
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] ズレを通してお互いを知りあう実践:学校臨床のディスコミュニケーション分析2011

    • 著者名/発表者名
      松嶋秀明
    • 総ページ数
      71-90(286)
    • 出版者
      東京大学出阪会
  • [図書] 非行臨床の技術2011

    • 著者名/発表者名
      橋本和明
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      金剛出版(山本登志哉・高木光太郎(編著)「ディスコミュニケーションの心理学:ズレを生きる私たち」所収)

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公開日: 2013-06-26  

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