研究課題
本年度は、離散空間の幾何構造をミクロな描像と考えたときに、スケール変換を施すことでどのようなマクロ現象が現れるかを解析するための、基本手法となる流体力学極限について研究を行った。特に、不純物が混じった場合をあつかうランダム媒質の研究についての知見をえるために、ランダム媒質に関する国際研究集会を開催し、確率論、グラフ理論子、無限粒子系解析、非可換幾何などの立場の研究者と情報を交換することで多層な視点をもつことができた。また、現象の大域的な挙動を大きな枠組みで捕らえるトロピカル幾何学を、時間発展微分方程式の解の理解に応用することを検討した。量子ウォーク、トロピカル幾何など、新しい見地の幾何を学ぶために、この分野を開発している専門家を招き、クローズドな研究集会を開催した。少人数で集中的に討論を行うことで知見が深まった。物性物理で注目のあるナノチューブを量子グラフの観点で研究することができるが、これについて、空間の収束理論を用いることで、曲率の効果などを取り組むことを検討開始した。量子ホール効果を非可換幾何学の枠組みで説明するために、物理の研究者と定期的なセミナーを持った他、国内の非可換幾何学の究者と研究討論を進めた。非可換幾何学に関する研究発表集を公開することができた。また、昨年度開催した幾何学と確率論の関わりをテーマとした国際研究集会のプロシーディングをまとめ、Advanced Study of Pure Mathematicsから成果の公表を行った。
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