研究分担者 |
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30252571)
梅原 雅顕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90193945)
佐々木 武 福井工業大学, 工学部, 教授 (00022682)
中川 泰宏 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90250662)
長谷川 敬三 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00208480)
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研究概要 |
今年度は研究課題に関する種々の情報を収集するため,菅平で国際複素幾何シンポジウムを主催し,さらにPRCGC(環太平洋複素幾何コンファレンス)をソウルで開いて知見を深めた.また,佐々木多様体の専門家でもある二木昭人氏のグループと共同で,Kahler-Ricci solitonや佐々木多様体に関する勉強会を岐阜で行い,当研究課題の基礎となる基礎となる種々の資料を整備した.その結果,物理学者の安井らがブラックホール解から構成したEinstein佐々木構造の例と,二木-小野-Wangが構成した佐々木構造の例では,二木グループの指摘により,違いは佐々木構造にあるのではなく,むしろ付随するconeに於けるRicci flat計量の形状に差異があるのだということが分かってきた. 一方,複素射影平面の3点blowing-up上のKahler-Einstein計量や,2点blowing-up上のKahler-Ricci solitonの具体的表示に関しては,R^2の或る有界C^2領域でのhyperbolic affine sphereの方程式の類似物を通して,境界に沿う漸近展開をかなり精密に具体的に求めることが出来たが,この結果はInternational Pressから出版されるHandbook of Geometric Analysis(Adv.Lect.in Math.vol.7)の"Asymptotic Structures in the Geometry of Stability and Extremal Metrics"という章の中に収録されることになっている. 平成20年度の来日をとりやめざるを得なかったWeiyong He氏およびAndrey Todorov氏については,繰り越し制度を用いて同21年度の来日が実現し,それぞれ菅平および名大での研究打ち合わせを通して,上記課題の有益なヒントを得た.また,同じ制度のサポートで沖縄のOISTにて開催した日中友好の国際幾何学シンポジウムで,上記課題についての種々の結果を発表する機会を得た.
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