研究概要 |
「Kaehler-Riccisolitonの幾何」についての話題,および間接的ではあるがそれと深く関連するDonaldson・Tian-Yau予想の存在問題について取り組んだ. (1)ケーラー・アインシュタイン・ファノ多様体上のP1-bundleにおける,坂根-小磯による「ケーラー・アインシュタイン計量の構成法」において,中川泰宏氏との共同研究で,二木障害が消えずにKaehler-Ricci solitonが出現する場合にも佐々木アインシュタイン計重が同時に得られることを証明することに成功したが,この結果の検証が完全に終わりTohoku Math.J.の第65巻に出版予定である. (2)Donaldson-二木不変重を,テスト配位モジュライ空間のコンパクト化にまで拡張し,従来のものよりかなり強い意味のK-安定性の概念を導入した、 (3)偏極射影代数多様体に対する強い意味のK-安定性から漸近的Chow安定性が従うことがほぼ確実で,新田泰文氏と共同で現在検証中である.もしこの結果を仮定するなら,強い意味のK-安定性の仮定の下に,balancedmetricの列の存在が証明され,Donaldson-Tian-Yau予想の存在問題解決への第一歩が得られることになる.同様の議論はその相対版にも適用され,上の結果はDonaldson-Tian-Yau予想の存在問題のextremal Kaehler版に拡張される.つまり強い意味のK-相対安定性から漸近的Chow相対安定性が従うことが予想され,こちらも現在検証中である.もしこの拡張が可能になれば,強い意味のK-相対安定性の仮定の下に多重balancedmetricの列の存在が証明されextremal Kaehler計量の存在問題についての重要な知見を得ることになる.
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