流体力学の基礎方程式であるナヴィエ-ストークス方程式の解の特異性・擬特異性を調べ、その力学的性質を明らかにする。 時間発展する物理系を記述する偏微分方程式を考え、その解が何らかの意味で有限時間内に無限大になることを解の爆発と呼ぶ。一見もっともそうに思われる方程式の解に爆発が現れたり、その逆に、爆発とも思える解が実は滑らかな解であることがわかったりするので、爆発問題は丁寧な解析が必要である。ナヴィエ・ストークス方程式やオイラー方程式に解の爆発が起きるかどうかはきわめて重要な問題であるが、解決の困難な問題でもある。そこで、それらと似たような構造を持つ方程式をモデルとして考察し、それから得られた知見をもとに類推で流体の運動についても何らかの知識を得ようというのが目的である。
|