研究課題/領域番号 |
20244009
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小川 卓克 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20224107)
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研究分担者 |
川島 秀一 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (70144631)
三沢 正史 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40242672)
高木 泉 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40154744)
石毛 和弘 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90272020)
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キーワード | 最大正則性原理 |
研究概要 |
熱方程式の最大正則性原理は、一般的な枠組みで主にFourier multipilerの理論の延長として確立しているが, それらの一般論は基礎空間がUMD(unconditional Martingale differences)といった条件が標準的である. この条件は時間方向の指数が端点でない場合、時間変数をパラメータとしたHilbert変換の有界性やzeta-凸性などと同値であるが, XがUMDならば必然的に回帰的でなければならないことから、非回帰的Banach空間に対する最大正則性原理は各論に頼ることになる. そこで非回帰的Banach空間である積分指数1の Besov空間に対して一般化された最大正則性原理を定数係数の非斉次熱方程式の初期値問題に対して確立した. また一般にスケール不変な空間で半線形の時間発展問題を考える際には、最大の時間空間可微分性-可積分性評価が必要となる. そこで, こうした評価を最大正則性原理を証明する仮定で取り込んだ一般化した最大正則性定理を証明した. 非線形Schr\"odinger-Poisson系における, Planck定数0へのWKB近似において複素振幅による分離を行い, 特に空間2次元のPoisson方程式の可解性に絡んでPlanck定数0の特異摂動極限において, 極限方程式である圧縮性Euler-Poisson方程式系の解の存在と一意性をこれまでの結果よりエネルギー空間に非常に近いクラスで確立し, さらにエネルギー空間とスケール次元が同等である斉次Besov空間における適切性を議論して分散消滅極限(WKB極限) が収束オーダー込みの評価を備えて確立できることを眞崎 聡氏と研究した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年度開始前の震災の影響で, 一部研究の遂行に遅れをきたしたが, 震災からの復興と同時に当初の計画の多くを遂行できた. 特に研究集会の開催(京大, 東北大) は一部プログラムの変更を見ながら実現し, 多くの成果を挙げた.
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今後の研究の推進方策 |
次年度も一定の遅れはあるものの, ほぼ計画通りの遂行が可能な見通しである. 特に研究支援者の雇用, 国際研究集会の実施による臨界研究と爆発研究の遂行など, 研究期間最終段階を迎えて, 十分な研究討論や発表内容の精査, および積極的な研究成果の発表を目指す. また図書による研究成果の公表を目指す.
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