研究分担者 |
高木 泉 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40154744)
三沢 正史 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40242672)
川島 秀一 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (70144631)
石毛 和弘 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90272020)
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研究概要 |
2次の非線型性を持つ, 非線型Schr"odinger 方程式の初期値問題の適切性を考え, 空間 1次元ではスケール変換で不変となるSobolev空間(スケール不変空間)より狭い空間で非適切となり, 実際にはあるSobolevスケールで適切で, それより広いBesov空間ではすべて非適切で, 初期時刻にいくらでも近い時刻で解がいくらでも大きくなりうること, さらに空間2次元ではスケール変換不変の空間で非適切となり, 非斉次臨界Sobolevスケールで初期時刻で解が不連続になることを, 岩渕 司氏と共同で証明した. この結果, ゲージ不変性を持たない2次の非線型Schr"odinger 方程式の低次元の適切性は次元によって異なる理由で適切性臨界が定まることがわかった. 2次元2次の連立非線型Schreodinger 方程式系の係数共鳴について研究し, 質量比が1:2となる場合に散乱問題が特殊な漸近形を示すこと, さらにこれまでに知られていない漸近形の構造を瓜屋航太氏と見いだした.またそれ以外の質量比の場合には例外的状況をのぞいて漸近自由になることも示される. 特殊な漸近形はある2階の常微分方程式系の特解として与えられ, 散乱データに依存して遅い漸近収束速度をもつことを示した. 退化移流拡散方程式の非線形拡散指数の臨界値に着目し, これまで良く研究されてきた, L1臨界指数と, いわゆるSobolev 臨界指数の中間の指数をもつ場合に中川和重氏と共同で, 初期条件のL1とentropy汎函数の自然なべき乗凸結合により弱解の大域的な挙動が分類されることを示し, その臨界値が一般型Hardy-Littlewood-Sobolevの不等式の最良定数で顕わに与えられることを示した.
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