研究課題
基盤研究(A)
臨界型楕円型 放物型連立系は、比較的単純な偏微分方程式系ではあるが、半導体素子設計(ミクロスケール)、走化性粘菌モデル(ミデアムスケール)、重力下の星間ガスと相互作用粒子系(マクロスケール)など、異なる物理スケールわたる普遍的な構造を記述する。その解の解析的構造はスケール不変臨界性という観点から興味深い。すでに半導体素子設計の方程式として、基本的な解の存在定理、および有限時間内での不安定性の発生のメカニズムについて、考察を加え、系を支配するする方程式として質量保存則と電場に対するPoisson方程式、さらに電流移動に関する、消散型運動量保存則(Navier-Stokes方程式)からの緩和時間零極限として得られる点に着目する。この際、圧力項に対してEinstein則を適用するとdrift-diffusion方程式をまた、等温条件を課すと、退化drift-diffusion方程式あるいは退化走化性方程式を得る。従ってこれらの方程式系には, その構成から、自然にいくつかの保存則(質量保存、運動量保存、エントロピー非拡大)が従う。これらの保存量と準保存量を組織的に導出するために、物理的に意味のある圧縮性粘性流体方程式(圧縮性Navier-Stokes方程式)と非線形Schrodinger方程式から形式的にこれら非局所型退化・非退化放物型偏微分方程式が導出できるかどうかを考えそれぞれのモデルに固有の数理的現象を引き出すことを目標とし、ことに物理的に意味のある指数に対する臨界性と臨界時に発生する漸近構造の様々な特徴を取り出すことを考えた。
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