研究概要 |
(1)筑波大学の近くにある国土地理院つくば32m電波望遠鏡の20GHz帯受信観測システムを広周波数帯化・高感度化してアンモニア分子(NH3)の23.6~25.1GHzにある(J,K)ニ(1,1)~(6,6)の6本の輝線ならびに超微細構造線を同時観測することができる観測システムを開発整備する。 (2)この観測システムを用いて天の川銀河の銀河面のアンモニア分子の高密度分子ガスの6本の輝線の同時観測を行い、その強度比から励起温度(現在のガス温度)、光学的厚み(従ってガスの面密度)、オルソ・パラ比(従って過去のダストの温度)などの物理量を精密に測定する。これによって、個々の星形成領域だけではなく、銀河系中心部を含む銀河系全体の構造と運動ならびに現在と過去の温度を比較することによって星形成史を明らかにする。 (3)またこのような膨大な観測を実質的に実行可能なのは世界で本望遠鏡だけであるので、取得した大量のスペクトル線観測データのデータベースを構築し世界中に公開して、赤外線・X線等の他波長との比較により星形成や銀河系構造の研究に末永く使用されるようにする。
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