MAXIは本年(2009年、H21)7月に予定より4ヶ月遅れで打上げられ8月15日から観測を開始した。 (1) 最適な観測条件の決定8-9月においては、打ち上げられたばかりのMAXIを使える状態にまで立ち上げた。RBM(Radiation Belt Monitor)による上空バックグラウンドの把握、アンチコインシデンスのレベルと太陽回避角などの最適化を行った。太陽回避角は当初30度であったが4度にまでせばめ、著しく観測領域を広げることができた。観測開始1ヶ月後にカメラ2台の芯線が破断するという問題が起こり、比例計数管の高電圧の印加と観測帯の最適化には時間がかかった。原因は高緯度での高バックグラウンドによって誘起された放電であると判明し、2009年9月23日以降は低緯度のみで運用し、さらに2010年4月以降は放電のおそれのあるカメラでは高圧を1650Vから1550Vに下げることで「放電無し」運用を行うことで、MAXIは安定して観測ができるようになった。 (2) 応答関数の構築実際の天体のデータを元にカウンタの応答関数の構築を行った。1650Vカメラにおいては応答関数が完成し論文にまとめた。 (3) データ転送と解析ソフトウエアの開発共に信頼性を高めたソフトを開発した。JAXAからのデータ転送は自動運転され、日々の運用に供されている。解析ソフトでは、X線天体ごとのライトカーブ・イメージ・スペクトルを毎日、自動生成し、MAXIホームページで公開している。
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