従来行って来たパルスレーザーによる反陽子ヘリウム原子分光法に替わり、CWレーザーを用いて圧倒的な高精度を達成するための開発研究に着手した。すなわち、CWレーザー周波数の安定化のための共振空洞の設計、CWレーザー光を蓄積してパワーを増した後にAOMスイッチによって光を取り出すための長さ3mの光蓄積空洞の設計などである。開発は順調に進んでおり、平成20年度後半にはCERN研究所の反陽子減速器施設において、CWレーザーを用いて反陽子ヘリウム原子の共鳴遷移を観測する試みを開始できる見通しである。なお、本研究は基盤研究(S)の内定通知を受けて廃止することとなり、本研究内容は基盤研究(S)に続いて採択された特別推進研究の一部として引き継ぐこととなる。
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