研究課題
超新星ニュートリノ元素合成の理論予測を天文観測によって検証し、ニュートリノ振動を解明するためには、(1)未知のニュートリノ・原子核反応の理論研究、(2)重力崩壊型超新星爆発モデルの構築、(3)ニュートリノ過程を含む爆発的元素合成計算コードの開発との実行、(4)アイソトープ分離を行う天文観測装置の開発、(5)生成核種の理論予測の天体観測およびプレソーラーグレイン分析による検証、を段階的に行う必要がある。二年目にあたる平成21年度は以下のような進展があった。(1)Li-Be-B元素合成計算に必要なν+He4、C12反応断面積の殻模型計算を実行した初年度に続き、ν+Fe56、Ni56反応を計算し、さらにより質量の大きい原子核構造の記述に有効な乱雑位相近似(RPA)によるガモフテラー遷移およびスピン・双極子遷移などの禁止遷移の理論計算を実行して妥当性を検討した。(2)超新星1987Aの球対称爆発モデル、磁場駆動型ジェット(MHD-JET)モデル、ニュートリノ対消滅加熱型ガンマ線バーストモデル等の構築に着手した。(3)ニュートリノ過程によるLi-Be-Bの生成は主にHe層で行われるが、ニュートリノ振動の鍵を握る質量の大きいF19,V50,Mn55,La138,Ta180等のアイソトープ元素の生成は、より深いO-Ns-Mg層とSi層で行われるため、大質量星の構造・元素合成進化の理論計算を検討した。(4)アイソトープ分離を行う天文観測装置(イメージスライサ)二大を開発し、すばる望遠鏡・高分散高分解能スペクトログラフへの装着を開始した。(5)Li-Be-B元素量の理論予測を詳細に行い、プレソーラーグレイン分析による検証方法を提案した。
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