研究課題
<単一光子を発生するIII-V族半導体等電子トラップの研究>高純度の砒化ガリウム結晶中に窒素をデルタドープした試料を用いて、顕微鏡下で単一の窒素由来発光中心を観測し、これを用いた近赤外領域(波長~830nm)の単一光子発生を光子相関実験により実証した。砒化ガリウム中の不純物発光中心を用いた単一光子発生はこれまで報告がなく、本研究が初めてである。また、このような未知の発光中心の起源を明らかにするために、単一発光中心に対して様々な方向から磁場(0~5T)を印加して発光スペクトルを測定できるシステムを構築した。これまでの研究で発光中心の原子配置が特定できている燐化ガリウム中の窒素ペア発光中心を用いて研究を行い、原子配置から考えられる異方的な結晶場を取り入れた理論計算によって励起子微細分裂の磁場依存性を説明することに成功した。<量子ドット中の電子スピン初期化とスピン才差運動の研究>1個の電子がドーピングされた半導体量子ドットでは、トリオン(負の荷電励起子)への遷移に共鳴する光の照射によって、電子(s=1/2)の2つのスピン準位間のコヒーレントな状態を作ることが出来る。本研究では、電界制御によって1個の電子をドーピングしたInP/InGaP量子ドットにおいて時間分解磁気光学測定を行い、ピコ秒パルスレーザー光の照射によって電子スピンのコヒーレンスがどのように生成されるかを実験的に調べた。この過程はパルス光の強度、偏光状態やバンド幅に極めて敏感に依存する。これらのパラメータの精密な調整によってスピン偏極の方向と大きさを自由に制御できることを、密度行列を用いた理論計算との比較によって示した。
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