研究課題
平成22年度は、英国ラザフォードアップルトン研究所のAstra-Geminiレーザーを用いたX線発生の共同実験(2010年5月~7月、日本から3名参加)と原子力機構のJ-KARENレーザーを用いた共同実験(2011年1月~3月、英国から1名参加)を実施した。これらの実験により、前年度我々が観測した、相対論的強度の高強度レーザーがガスプラズマと相互作用により生成される高次高調波を再現することができた。また、120TWのチタンサファイアレーザーをHeガスに照射することにより、波長10-11nmで0.46mJ/srの軟X線を観測し、従来の光子数を増大させ、また再現性も向上させることに成功した(論文投稿中)。理論研究では、相対論的飛翔鏡のコンセプトを発展させ、レーザーの放射圧を利用して、薄膜プラズマを加速する体系において、加速されるイオンの位相が固定され、高エネルギーまで加速が行えることを示した。相対論的飛翔鏡を用いて高強度場を作り出し、相対論的な電子ビームと相互作用させ、高強度電磁場と電子の非線形相互作用を研究する体系を考察した。これらの高強度領域での高エネルギー電子との相互作用により、電子・陽電子のなだれ的対生成が起こると予測されている。特に、このような高強度下での電子の放射減衰効果を取り入れた運動方程式を用いて評価を行った。PW級レーザーとレーザー加速による1GeV電子、相対論的飛翔鏡の技術を統合することで、電子・陽電子のなだれ的対生成領域に達することができるとの結果をえた。これらの評価に基づく実験提案を作成し、論文投稿、学会発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (15件) 備考 (1件)
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