ミオシンなどの分子モーターは、負荷の強弱に柔軟に応答して常温で効率よく動作する、人間のつくるエンジンを超えた能力を持つ優れたモーターである。本研究は、次の目的・内容を持つ。 (1)蛋白質が大きく柔らかく動く姿を捉える新しい粗視化モデル、およびアロステリック変形の基礎理論を展開して、強い熱揺らぎに曝されているにもかかわらず高機能を発揮する、分子モーターの物理的原理を明らかにする。 (2)生理的に重要なミリ秒以上にわたる過程に焦点をあてた計算機シミュレーションを実行する。 (3)分子モーターの動作を説明する機能ファネル仮説を提唱して、これを批判的に検証する。
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