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2009 年度 実績報告書

宇宙線ラジオグラフィーと高品位化した重力連読観測で、マダマの火道内昇降を診る

研究課題

研究課題/領域番号 20244071
研究機関東京大学

研究代表者

大久保 修平  東京大学, 地震研究所, 教授 (30152078)

研究分担者 田中 愛幸  東京大学, 地震研究所, 助教 (90508350)
田中 宏幸  東京大学, 地震研究所, 准教授 (20503858)
徳永 朋祥  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (70237072)
田村 良明  国立天文台, 水沢VERA観測所, 助教 (90150002)
キーワード絶対重力 / ミューオンラジオグラフィー / 火山 / マグマ頭位 / 地下水流動
研究概要

2009年4月~2011年3月にわたって、桜島火山において,絶対重力の連続観測及び土壌水分の連続観測を実施し、降雨による地下水擾乱を補正した高品位な重力データを取得した。2009年7月及び2009年10月の2回にわたって、10マイクロガルもの重力減少が10日間程度の短期間に生じていることを見いだした。また、2年間にわたって宇宙線ミューオン観測を行い、桜島南岳昭和火口及びA・B火口からその直下200m程度までの透視画像を得ることができた。画像から読み取った火道径は160mであったので、半径80mの円柱で火道を近似することができた。この幾何モデルに基づき、前述の絶対重力変化をマグマの火道内昇降で説明することができた。それによると2009年7月には昭和火口最上部までマグマが上昇したことがわかり、この時期以後、昭和火口からの火山灰放出激増を説明することができる。また、2010年10月には南岳A火口最上部までマグマ頭位が上昇したことも分かった。これは10月3日の南岳爆発と符合している。絶対重力の連続観測を安定的に継続することは、世界でも例がなく、そのためのノウハウも手探りで蓄積する必要があった。実際、2009年3月までは、レーザー出力が急激に低減したが、その原因が火山灰の付着によるものであることを確定しなくてはならなかった。これに対応するため、簡易クリーンルームを設置するなどし、2010年4月以降はほとんど欠測のないデータ取得に成功した。
以上の成果は、火山浅部のマグマの移動と、火山活動の関係を議論する上で、極めて重要な成果であり、火山防災にも大きく、貢献するものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ハイパー・ハイブリッド重力測定-地殻内流体移動検出の高精度化を目指して2010

    • 著者名/発表者名
      大久保修平
    • 雑誌名

      地震ジャーナル

      巻: 50巻 ページ: 78-82

  • [雑誌論文] Development of a portable assembly type cosmic-ray muon module for measuring the density structure of a column of magma2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, H.K.M., T.Uchida, M.Tanaka, ほか2名
    • 雑誌名

      Earth Planets Space

      巻: 62 ページ: 119-130

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 桜島火山における絶対重力観測2010

    • 著者名/発表者名
      大久保修平・菅野貴之・風間卓仁・山本圭吾・井口正人・田中愛幸・孫文科・高山鐵朗・坂守・松本滋夫
    • 雑誌名

      2009年度地震火山噴火予知研究計画報告書,「桜島火山における多項目観測に基づく火山噴火準備過程解明のための研究」

      ページ: 65-71

  • [学会発表] 桜島火山における、ハイパー・ハイブリッド重力観測2010

    • 著者名/発表者名
      大久保修平・風間卓仁・山本圭吾・田中宏幸・菅野貴之・田中愛幸・坂守・今西祐一・福田洋一・井口正人
    • 学会等名
      日本測地学会2010年秋季講演会
    • 発表場所
      京都大学きはだホール(京都府宇治市)
    • 年月日
      2010-11-10
  • [学会発表] 高エネルギー素粒子地球物理学研究プロジェクト(ESPRITエスプリ)2010

    • 著者名/発表者名
      大久保修平・田中宏幸
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2010年大会ユニオンセッション「地球惑星科学の進むべき道:大型研究のありかた」
    • 発表場所
      千葉市幕張メッセ
    • 年月日
      2010-05-26

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公開日: 2012-07-19  

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