研究課題
1.観測実績(1)KR11-09航海(2011年10月)従来より高分解能なMCSシステム(2008)が導入されて初めて南海トラフでMCS探査を実施したため、黒潮に関連した海洋微細構造イメージングを行うためあわせてXBT/XCTD観測を実施した。(2)KY12-02航海(2012年2月)新しく導入した高周波エアガンを用いた可搬式MCSシステムを利用した海洋微細構造イメージングを試みるため、南海トラフにおけるMCS探査にあわせXCTD観測を実施した。2.数値モデリング実績:前年度からの数値実験を継続し、海底地形の凹凸上で深海乱流が強く励起される場所が、半日周期の内部潮汐によってファインスケールの鉛直ストレインが周期的に強められる場所と一致していることが明らかにし、深海乱流の励起にparametric subharmonic instabilityの機構が主要な役割を果たしていることを確認した。さらに、平成23年12月の北海道大学・おしょろ丸による小笠原航海に参加し深海乱流計VMP-5500を用いて、上述の数値実験と併せて、深海乱流の強度をファインスケールの鉛直ストレインを用いて予報する実験式を求めた。3.反射イメージング法改良実績:もともとの目的が海底下の構造探査であるため、観測システムが海洋構造抽出のためには最適化されていないこともあり、この分野の解析手法には未だ改良すべき点が多い。同一測線上で条件の異なる発振源と受信源を用いて複数回の地震探査が行われた結果を解析することにより、どのような解析をすればより鮮明な海洋反射構造イメージが得られるかを明らかにした。4.内部潮汐波イメージング実績:伊豆・小笠原海嶺に直交する測線の反射断面にイメージされている内部潮汐波がM2起源のものであるとして理論的な波線追跡を行い、内部潮汐波が測線に並行する黒潮の影響でCritical layer absorptionを起こしているとすると観測と理論が良く一致することを示した。またイメージされた波線ビームの微細構造から、内部潮汐波のエネルギー散逸過程に関する重要な情報が得られることを明らかにした。
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Nature Geoscience
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