研究分担者 |
堀之内 武 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (50314266)
小寺 邦彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究院, 客員教授 (70343887)
廣岡 俊彦 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90253393)
田口 正和 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50397527)
柴田 清孝 気象庁気象研究所, 環境応用気象研究部, 室長 (50354494)
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研究概要 |
2つの研究グループはそれぞれ下記の研究成果を上げた。 ○成層圏変化が各過程に及ぼす影響評価と力学的役割研究グループ: ・再解析データ及び気象庁1ヶ月アンサンブル予報データを用いた解析により,北半において顕著なプラネタリー波の下方伝播イベントが生ずるときの成層圏の帯状風構造の特徴を明らかにした。 ・水惑星モデルを用いたパラメタスウィープ実験により,ハドレー循環において波動が果たす役割が重要である可能性を示した。またGPS掩蔽観測データにより,成層圏の波動と前線構造を検出した。 ・2009年1月に生起した極渦分裂型の成層圏大規模突然昇温の観測的特徴を解析するとともに,予測可能期間が5日程度であることと,アラスカ近辺に生じたブロッキング現象が生起予測に重要であることを明らかにした。 ・球面調和関数変換のための数値ライブラリの高速化を行い,IA32アーキテクチャ上では世界最速と言えるものを開発し,公開した。 ○季節内変動・年々変動・気候変化における外部要因変動の力学的役割研究グループ: ・熱帯下部成層圏の残差子午面循環及び波駆動の季節及びENSO変化の詳細を,気候モデルデータを用いて調査した.また,ENSOに伴う赤道成層圏の準二年周期振動の変調に関して観測データ解析を行った。 ・成層圏・対流圏の循環の相互作用,特に熱帯の対流活動に及ぼす影響について調べ,成層圏で子午面循環が強くなると,熱帯において絹雲が形成される高度が上がるとともに,大陸上の深い対流が強化されることを示した。 ・化学-気候モデルを使った過去再現実験を行い,突然昇温や極渦強化のような東西風の大きな変化の前後において,それに付随する子午面循環の変化を力学量やオゾン量で調べた。その結果,東西風変化の影響が熱帯や南半球の圏界面付近でも見られことが明らかになった
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