研究課題
(1)本研究で平成22年度までに設置した4台のフプブリ・ペロー干渉計(FPI)(ノルウェー、タイ、インドネシア、オーストラリア)と、以前から自動観測を継続している信楽のFPIの自動観測を継続し、オーロラ帯における熱圏風・温度の観測と、信楽-オーストラリア(中緯度)、タイーインドネシア(低緯度)の2つのペアによる、熱圏の風速の南北共役点観測を維持した。平成23年度末にインドネシア・オーストラリアのFPIの受光部に不具合が生じたので、日本に送り返して修理を行っている。また、熱圏温度計測の信頼性に関する検討を行った。(2)ロシアのマガダン・パラツンカ、日本国内の母子里・陸別・信楽・鹿児島・佐多・与那国、インドネシアのコトタバン、オーストラリアのダーウィン、カナダのレゾリュートベイ、アサバスカ、ノルウェーのトロムソにおける高感度全天カメラ・フォトメータなどの分光観測機器、磁力計、GPS受信機などによる自動観測を維持・継続した。また、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、カナダ、南米など、これまでに光学・電磁場観測が不十分な地域での観測の可能性を検討した。(3)これらの地上観測と、各種レーダー・GPS受信機などの電波観測、地上磁場ネットワーク観測、人工衛星観測を組み合わせて、データ解析を行った。このための光学観測のデータベースの整備を行った。(4)タイ、インドネシアを含む東南アジア地域とオーストラリアを含むオセアニア地域をあわせて、FPI設置地域におけるGPSデータのデータベース整備を進めた。(5)これらの観測で得られた成果を国内外の学会や研究会で発表し、共同研究を推進した。
2: おおむね順調に進展している
当初予定通り、4台のファブリ・ペロー干渉計を設置して、自動観測を行い、共役点観測によるデータを得ることができた。また、関連する地上多点観測もおおむね順調に自動観測を継続することができている。
平成24年度は本研究課題の最終年度にあたるので、これまで得られたデータを解析し、成果をより出していくことに力を入れていく。また、人工衛星との比較観測も行い、3次元的な視点で熱圏・電離圏の変動を調べていく。引き続き、地上多点観測網の自動観測を維持・継続し、得られたデータをデータベース化して公開することで、世界の関連研究者との共同研究を進展させるようにする。
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DOI:10.1007/s11214-011-9816-6
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/omti/index.html
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/magne/index.html