研究概要 |
調査予定地域のオーストラリアは次年度(H21年)に繰り越したが、ロシア、北海道、奥飛騨地域の地質調査・試料の収集を予定通り遂行し、横軸46億年研究を計画通り進めた。ロシアと奥飛騨地域は8-4億年前の時代の全球凍結時代と、その直後の動物誕生の時代をカバーする。世界標準地域として既に南中国地域で、8-5億年前の浅海堆積体の掘削試料の徹底的な同位体分析を推進中であるが、本年度の試料はそれを補完し、南中国地塊の当時の表層環境の地域性(日本列島はその縁に発達した)の解析に重要な役割を果たす。 オーストラリア調査は平成21年11月に行い、(1)オーストラリアの3つの主要河川の川砂ジルコンと(2)約23億年前の全球凍結時の氷河性堆積物中のBIF礫を採取した。 表層環境グループは、南中国の掘削試料を中心に、Sr,Ca,炭素(有機物と炭酸塩岩)、酸素の同位体分析、並びにP、REEなどの微量元素の分析と論文化を進めてきた。化石の記載に加えて動物胚化石のスポットU-Pb年代の可能性の追求を開始した。2008年に国際雑誌に印刷された論文は15である。そのうち代表的な3論文を本報告書の研究成果として記した。
|