研究課題/領域番号 |
20244089
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
鎌形 洋一 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究部門長 (70356814)
|
研究分担者 |
玉木 秀幸 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (00421842)
竹内 美緒 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (20357403)
吉岡 秀佳 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (30415765)
鈴木 庸平 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (00359168)
坂田 将 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究グループ長 (70357101)
|
キーワード | メタン生成古細菌 / 地下圏微生物 / 水溶性天然ガス / ゲノム解析 / 水素・酢酸からのメタン生成 / 嫌気的メタン酸化 |
研究概要 |
本研究ではこれまで実体が明らかになっていないメタン生成古細菌ならびにメタン酸化微生物の分離培養ならびに動態解析を目標とした。集積・分離培養にあたっては、実環境濃度に近い低濃度ガス供給を基本とした新規集積・分離培養手法(共生培養法)を確立し、昨年度、陸圏天然ガス胚胎地下圏試料から、当該地下圏に優占的に存在することがあらかじめ知られていたMethanothermobacterに近縁なメタン生成古細菌の完全純粋培養に成功した。当該菌株はMethanothermobacter(中度高温菌)とMethanothermus(超高温菌)の中間的温度特性を示すこと、さらにはメタン生成経路の基幹酵素(MCR1)の遺伝子配列や16S rRNA遺伝子配列の解析から当該微生物の分子系等学的モザイク特性を明らかにした(Int. J.Syst.Evol.Microbiol.,投稿中)。当該菌株には高温性のメタン生成古細菌が通常持っているはずのMCR2を欠いており、低濃度水素環境に馴化し進化した微生物であることがゲノム構造から明らかになった。また、地下環境にあっては酢酸からの酸化的メタン生成が極めて重要であることをトレーサー実験によって明らかにした(Environ.Microbiol.,published online)。さらに陸域地下圏には通常海底地下圏に存在する絶対嫌気性メタン酸化微生物群(ANME)とは異なるタイプのメタン酸化古細菌の存在が示唆された(Envhon.Microbiol.,accepted)。嫌気的なメタン酸化には酸化にあたって生ずる水素消費微生物の存在が必須であるが、その実態を明らかにするまでには至らなかった。
|