(1)分子の電子構造や配向・配列の変化を外部電場により誘起することにより電子励起状態からの反応を制御することができる。さらに光と電場により励起状態からの反応ダイナミクスを制御することにより機能物性を制御することができる。本研究では、光化学反応への電場効果、特に光誘起電荷分離や光誘起電子移動反応への電場効果を詳細に調べ、光励起ダイナミクスと外場応答機能物性の相関を明らかにする。具体的には、分子間、分子内光誘起電子移動反応への電場効果を、極低温からの広い温度領域で、異なる酸化還元電位を有する種々のドナー(D)・アクセプター(A)に対し、D-A距離を制御して調べ、反応および反応への電場効果の機構を明らかにする。 (2)光と電場による機能物性の変化および外場応答機能物性の発現を広い温度範囲において調べる。特に種々の電荷移動錯体に関して、電気伝導度や磁気特性が光照射によりさらには電場印加によりどのように変化するかを詳細に調べる。
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