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2011 年度 実績報告書

DNAコンジュゲートを用いたアフィニティー電気泳動による遺伝子精密分析法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20245020
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

前田 瑞夫  独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 主任研究員 (10165657)

研究分担者 宝田 徹  独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 専任研究員 (30336010)
キーワードバイオ関連機器 / 核酸 / 高分子合成 / アフィニティー分離 / 電気泳動
研究概要

本研究は、一塩基変異部位を含む小領域に相補的なオリゴDNAと、無電荷の水溶性高分子からなるブロックコポリマー(DNAコンジュゲート)をキャピラリー電気泳動のアフィニティープローブに用いることにより、正常型および一塩基変異型DNAの分離・定量法を開発することを目的としている。最終年度では以下の2項目について結論を得た。
1.アフィニティーキャピラリーゾーン電気泳動法の開発(昨年度から継続)
今年度は、一塩基変異型と正常型にそれぞれ相補し、かつポリエチレングリコール(PEG)分子量が異なる2種類のDNAコンジュゲートを併用すると、正常体と変異体から夾雑物が完全に分離されることを実証した。これにより、正常体と変異体の存在比率をピーク面積比から簡便かつ正確に決定できることが分かった。特に、正常体と変異体の仕込み比率と実測された比率の差は、これまでに報告された手法のなかで最小であった。本法の遺伝子精密分析法としての実用化が期待できる。さらに、DNA塩基配列とPEG分子量が異なる4種類のプローブを併用すると、サンプル混合物から4種類の標的DNAを分離抽出できた。近年、がんに相関した異常な発現が明らかにされている、血中のmiRNAの同時多検体検出への応用が期待できる。
2.ペプチド核酸(PNA)とPEGからなるブロックコポリマーの設計と合成(昨年度から継続)
これまでに、PNAとPEGのブロックコポリマーが、フォールディングしてヘアピン構造をとるサンプルDNAの一塩基変異体分離に有効であることを示してきた。今年度は、ヘアピン構造の熱力学的安定性と分離度の関係を詳細に調べた。その結果、ヘアピン構造におけるステム部分(分子内二重鎖形成部分)が5塩基対でも、PNA部位がステム部位に侵入してアフィニティー相互作用をすることを明らかにした。これにより、本法の分析対象とする一本鎖DNAの2次構造についての制限が実質的に取り除けることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ポリマー修飾核酸を用いたキャピラリーゾーン電気泳動による遺伝子変異分析2011

    • 著者名/発表者名
      塚田暖美、渡邉誉、松岡幸治、金山直樹、宝田徹、前田瑞夫
    • 学会等名
      第60回高分子討論会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山市)
    • 年月日
      2011-09-30
  • [学会発表] PEG修飾DNAをアフィニティープローブに用いたキャピラリーゾーン電気泳動によるSNP定量検出2011

    • 著者名/発表者名
      塚田暖美、渡邉誉、松岡幸治、金山直樹、宝田徹、前田瑞夫
    • 学会等名
      日本分析化学会第60年会
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋市)
    • 年月日
      2011-09-14
  • [学会発表] Affinity Capillary Electrophoresis for Quantitative Gene Diagnostics2011

    • 著者名/発表者名
      宝田徹、前田瑞夫
    • 学会等名
      IUPAC International Congress on Analytical Sciences 2011
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都市)
    • 年月日
      2011-05-26
  • [学会発表] DNA Point Mutation Assay by Affinity Capillary Zone Electrophoresis Using Poly (ethylene glycol)-DNA Block Copolymers2011

    • 著者名/発表者名
      塚田暖美、渡邉誉、松岡幸治、宝田徹、前田瑞夫
    • 学会等名
      IUPAC International Congress on Analytical Sciences 2011
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都市)
    • 年月日
      2011-05-25
  • [備考]

    • URL

      http://www.riken.jp/lab-www/bioengineering/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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