フッ素系物質の分解菌の探索 ジフルオロ酢酸エチルを分解する菌体を8株、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等を分解する菌体を13株見いだし、系統樹を確定した。 進化型フッ素化酵素の創製 フッ素化酵素(フルオリナーゼ)のフッ素イオンが入り込むポケット構造を構築する158番目のセリンを中心として、156番目と254番目のフェニルアラニン、16番目のアスパラギン酸等を部位特異的に変換し酵素活性を検討した。特に、158番目のセリンを異なるアミノ酸に変換することにより、基質の立体選択能が顕著に変化することが確認された。 フッ素資源循環システムの構築 フッ素系物質の分解菌により生成したフッ化物イオンを利用し、フルオリナーゼを活用してフッ素化反応を行い、基質SAMにフッ素を導入し生成物として5'-FDAを創製できた。また、放線菌(Strepomyces cattleya)を用いることにより、生成物として4-フルオロトレオニンが創製できることも見いだした。工業的に利用されているいくつかのフッ素系物質の分解によって生成するフッ化物イオンを再利用するフッ素資源循環システムの構築への可能性を見いだした。
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