研究課題/領域番号 |
20245045
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金谷 利治 京都大学, 化学研究所, 教授 (20152788)
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研究分担者 |
西田 幸次 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80189290)
松葉 豪 京都大学, 化学研究所, 助教 (10378854)
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キーワード | 非平衡中間体 / 結晶化誘導期 / 流動誘起中間体 / シシケバブ / 高次構造制御 / メゾ相 / 精密構造解析 / 量子ビーム |
研究概要 |
平成20年度は、種々の結晶化過程で出現する非平衡中間相について、量子ビームを中心に用いた精密構造解析による研究を推進した。一つは、ナイロンなど水素結合による強い相互作用を示す系での結晶化誘導期に生成する非平衡中間相について調べ、強い相互作用のため融点以上でももとの構造を強く保持し、それが結晶化の前駆体として働きマイクロメートルの構造形成に強く影響を及ぼすことを明らかにした。この構造は生成するナイロンの透明性を強く支配しており、実用的な面からも非常に大きな意味を持つと考え、今後高温でも生き残る非平衡中間体を制御できる手段を明らかにする予定である。2つ目は、流動誘起非平衡中間相に関するもので、特にアイソタクチックポリスチレンについて研究を進め、融点よりもはるかに高い温でも流動に誘起され中間相が生成し、冷却した際にはそれが結晶核として働き、結晶配向構造を大きく支配することを示した。ここでできる構造は太さが数ミクロンから数十ミクロンであり、長さは数百ミクロン以上にもおよぶ巨大なものである。現在、現象としてはかなり明らかになってきたが、その生成機構や安定化機構に付いて不明な点多く、来年度はその解明が主体となる予定である。さらには、共同研究者である西田准教授を中心にしてポリブチレン-2,6-ナフタレートに関して新たな安定な非平衡中間相を発見したことである。本研究はまだ始まったばかりであるが、以前から研究を進めているアイソタクチックポリプロピレンのメゾ相同様に、本中間相を経由した結晶化においてはこれまでにない特異なモルフォロジーが予想でき、種々の温度条件を探索しながら新たな物性をもつ結晶モルフォロジーの発見に努める。
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