研究課題
圧電特性評価 育成後の後処理として、アクセプターを導入することによって、高い絶縁性を持ったウエファーを得ることが出来た。この得られた高絶縁性ウエファーについて、-50~150℃の間で、共振・反共振法による圧電特性評価(電気機械結合係数測定)、および、誘電率の測定を行った。その結果、マグネシウムを添加した(Zn,Mg)O固溶体結晶の誘電率、圧電定数共に、マグネシウム添加の効果は大きくなく、ほぼ、無添加の単結晶に近い値を示すことが分かった。この結果については、第一原理計算によって理論的な検証を行っており、第一原理計算でも、この推察を支持する結果が得られている。この結果は、酸化亜鉛系ヘテロ構造形成による素子化において、重要な知見になると期待される。結晶の極性 本研究で注目した極性による電子状態変化についても、興味深い結果が得られた。すなわち、(0001)面と(000-1)面とで、その価電子帯の光電子分光スペクトルの形状が異なっていることが確認された。[雑誌論文(12)]この価電子帯のスペクトルの極性依存性は、無添加の酸化亜鉛、マグネシウムを添加した酸化亜鉛、さらに、そこにドナーを添加した酸化亜鉛など、本研究で測定したあらゆる酸化亜鉛について観測されており、極性によるデバイス特性の変化などを知る上で、非常に有用な知見が得られた。機械加工ダメージ ウエファー応用のための表面平坦化の効果について検討し、低温の発光スペクトルや、発光の蛍光寿命がダメージによって極めて敏感に変化することを見出した。さらに、そのダメージ送の厚さを半定量的に求めたところ、通常の検索加工を行った場合には、いわゆる鏡面が得られた場合でも、約100nmの厚さに及ぶダメージ層が形成されることが分かった。また、このダメージ層は、化学機械研磨によって助教可能であり、ウエファー応用には、少なくとも、化学機械研磨によって表層100nmを助教する必要があることが分かった。
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