研究課題/領域番号 |
20246022
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
萩行 正憲 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (10144429)
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研究分担者 |
長島 健 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (60332748)
小関 泰之 大阪大学, 工学研究科, 助教 (60437374)
宮嵜 博司 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00134007)
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キーワード | メタマテリアル / 負の屈折率 / テラヘルツ波 / スーパーインクジェットプリンタ / 分割リング共振器 / 光伝導アンテナ / 平面メタマテリアル / 3次元メタマテリアル |
研究概要 |
メタマテリアルとは、電磁波の波長の10分の1程度の大きさの要素を配列した人工構造物で、自然界では得られない有効誘電率や有効透磁率を有する物質のことである。本研究では、これまで研究代表者らが蓄積してきたテラヘルツ技術とメタマテリアルを融合して、新しいタイプのメタマテリアルを開発し、テラヘルツ技術の応用分野を拡大することを目的としている。 本年度は、主に、20年度に導入したスーパインクジェット(SIJ)プリンタを用いて平面メタマテリアルを作製する技術の確立と、誘電体メタマテリアルの3次元化に向けた基礎実験を行った。SIJプリンタを用いたメタマテリアル作製では、分割リング共振器(SRR)を2次元に配列した平面メタマテリアル、並びに、分割のないリングを配列した平面メタマテリアルを作製し、前者では磁気的な応答が得られるが、後者ではそれが消滅することを確認した。この実験結果は、FDTDシミュレーションと良く一致した。また、信州大学と協力して、フレキシブル基板上にSRRを作製したシートを積層することにより、3次元バルクメタマテリアルを実現した。誘電体メタマテリアルでは、均一な微小TiO_2球を分散させることにより、磁気的な応答が得られることを確認した。 さらに、テラヘルツ放射用の光伝導アンテナにSRRを装荷したデバイスを作製し、LC共鳴周波数で放射強度の増大させることに成功した。これは、放射スペクトルの制御に繋がる成果である。この他、金属スリット配列を2層並べたものは、その相対位置を変えることにより、屈折率が制御可能な3層の誘電体として振舞うことを見出した。
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