研究課題
本研究では、生体計測用マイクロ波原子間力顕微鏡(AFM)プローブを新規開発し、細胞内物質の導電率および誘電率を同時に計測することによって、細胞の活性を定量的に評価できる技術の確立を目的とする。本年度は以下の実績を得た。(I)サブミクロンスケールのマイクロ波近接場計測(I-1)生体マイクロ波AFMプローブの評価原子間力顕微鏡を用いて、開発したマイクロ波AFMプローブの表面形状計測機能を調査し、プローブのバネ定数や共振周波数、検出分解能などについて評価を行った。さらに、ネットワークアナライザを用いて、開発したマイクロ波AFMプローブのマイクロ波導波特性を調査し、プローブのマイクロ波周波数に関する電気損失や位相変化について評価を行った。(I-2)生体マイクロ波AFMプローブの最適化マイクロ波原子間力顕微鏡を用いて、マイクロ波の伝送、検出に関する各種検証実験を実施した。実験結果と理論を比較し、細胞計測マイクロ波AFMプローブの形状、寸法などを改良し、マイクロ波AFMプローブの探針近傍の細胞における近接場マイクロ波の振幅および位相の変化の検出感度を向上させ、マイクロ波AFMプローブの最適化を実現した。(I-3)マイクロ波近接場の計測培養した骨髄幹細胞を用いて、細胞内1μm深さ範囲における近接場マイクロ波の計測を行った。75GHz~110GHz帯域のマイクロ波を掃引することにより、各周波数における近接場マイクロ波の振幅および位相の変化の高精度計測を実現した。(II)骨髄幹細胞による腱/靭帯線維芽細胞の分化シリコン皿の伸展による力学的な刺激により、骨髄幹細胞の分化による腱/靭帯線維芽細胞の生成を実現した。腱/靭帯の線維芽細胞の検出計測は逆転写遺伝子増幅法により実現した。さらに、伸展の振幅、周波数、作用時間などの刺激条件を制御することにより、骨髄幹細胞の分化による腱/靭帯線維芽細胞生成の最適化を行った。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件) 産業財産権 (1件)
Microsystem Technologies 16(印刷中)
Journal of Nanoscience and Nanotechnology 10(印刷中)
Proc.Symposium on Design, Test, Integration and Packaging of MEMS/MOEMS 2010 (印刷中)
Proc.InterPACK 2009 (CD-ROM)
ページ: 6
Proc.ICF12 (CD-ROM)
Proc.ASMP2009 (CD-ROM)
ページ: 7
非破壊検査工学最前線(共立出版)
ページ: 149-210