研究課題
本研究では、マイクロ波の応答が物質の電磁気物性値に依存する特徴を利用して、サブミクロン空間分解能を有する生体計測用マイクロ波原子間力顕微鏡(AFM)プローブを新規開発し、細胞内物質の導電率および誘電率を同時に計測することによって、細胞の活性を定量的に評価できる技術の確立を目的とした。本研究において、MEMS微細加工技術により微小寸法のマイクロ波伝送導波線路の開発が可能であることに着目して、液体中でもマイクロ波の伝送、検出ができる生体計測用マイクロ波AFMプローブを開発した。マイクロ波導波路の基板として導波損失の少ないガリウム砒素を用い、微細加工プロセスにより、マイクロ波導波プローブの基本になるAFMのカンチレバーを作製した。またスパッタリングによりガリウム砒素カンチレバーの上下表面に金属膜を蒸着させ、マイクロストリップライン構造の導波路を形成した。さらに集束イオンビーム加工技術を用いて、カンチレバー探針部の導波路を完成させ、マイクロ波を伝送できるAFMカンチレバー、すなわちマイクロ波導波AFMプローブの開発に成功した。さらに、培養した骨髄幹細胞を用いて、細胞内1μm深さ範囲における近接場マイクロ波の計測を行い、75GHz~110GHz帯域のマイクロ波を掃引することにより、特定の共振周波数における近接場マイクロ波の振幅および位相の変化の高精度計測を実現した。測定結果をマッピングすることにより、細胞の表面形状および電気的特性分布をサブミクロン空間分解能で同時に計測することに成功した。
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