研究概要 |
これまで研究代表者らが培ってきた(1)混相流の素過程研究の成果,(2)光電マイクロファイバープローブの研究成果,(3)空気中における金属とフェムト秒パルスレーザーとの相互作用に関する研究成果を活用・駆使して,時間レンジ10^<-15>〜10^<-8>秒に及ぶフェムト秒パルスレーザーと液体との新規かつ特異な光力学的相互作用の一部を解明した.加えて,本研究の更なる推進に必要な種々の計測手法(光ファイバープローブによる局所計測)を開発した. パルス幅60fsのフェムト秒レーザーを純水に照射して,1パルス照射後に発生する現象を1fsから1psの時間分解能で可視化計測した.照射80fs後にfsパルスが照射された領域の純水に屈折率変化が発生,照射900ps後にプラズマ化して強い光が発生,照射1100ps後に気泡核が生成されることを見出した. 加えて,石英ファイバーを高精度に加工する方法に,本研究で得られた知見を活用して,これまでの加工方法では実現できなかった加工精度により,新たな光ファイバープローブを作成する方法を見出した.これらを,微小気泡や液滴(径数十μm)の計測に応用,計測精度を実証した.さらに,fsパルスを連続照射して,大量の気泡が生成されることを見出し,気泡の成分を分析した.その結果,生成される気泡成分は水とは違うものであることが確認された.生成された気泡の合一という流体力学的スケールの現象に着目して,その合一過程における周囲の液体運動を把握して,分子スケールから連続体スケールに及ぶ現象の一部を明らかにすることができた.
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