研究概要 |
時間レンジ10^<-15>~10^1に及ぶフェムト秒パルスレーザーと液体との新規かつ特異な光力学的相互作用を,研究代表者が研究開発してきた光電マイクロファイバープローブ,FTOP等の最先端技術を用いて解明した.ピコ秒,ナノ秒スケールの時間分解を持つ新たな計測装置を開発し,見出された新規な現象を混相流工学の視点から再構築して基礎プロセスを確立した.また,混相流工学と光科学技術との異分野を融合して新たな工学体系・工業技術体系を構築した. (1) 多光子吸収による液中衝撃波駆動源の発現メカニズムの解明(50フェムト秒~500ピコ秒),(2)衝撃波の発生と空間構造の解明(10ピコ秒~10ナノ秒),(3)衝撃波の伝播特性,キャビテーションの成長ならびに液相ジェットの発生メカニズムと構造の解明(1ナノ秒~100マイクロ秒),(4)非キャビテーション気泡成長メカニズムと運動特性の解明(1ナノ秒~100マイクロ秒),(5)(1)~(4)を基に光科学技術と混相流との融合技術の基礎開発.光力学的作用による衝撃波駆動源とfsパルス特性(fsパルス強度,焦点サイズ,パルス幅,fsパルス繰り返し周波数)との関係に関するデータを集積し,定量化,定式化した.また,フェムト秒レーザーと水との相互作用の空間構造を解明し,fsパルスと水との相互作用の空間構造を定量化した.さらに,ソノルミネッセンスのエネルギーと気泡生成エネルギーとの関係を定量化するとともに,プラズマ起因の生成気泡の3次元構造の経時変化,発生の空間的なゆらぎに関するデータを集積し,fsパルス特性との関係を定量的に解明した.これらの結果を基に,より少ない光パルス投入エネルギーでより多くの水分子を分解する手法を考察した.
|