研究概要 |
下記項目について研究を実施した. 1.結晶成長のモルフォロジー観察実験:耐圧光学セルを新たに製作し,水/大分子ゲスト物質,水/ゲストガス,大分子ゲスト物質/ゲストガスの三界面と三相界線を持つ三相系を水和物生成可能な一定の温度・圧力条件に制御し,水和物結晶の生成・成長挙動を顕微鏡下で連続観察した. 2.結晶生成に関する大規模分子動力学シミュレーション:上記第1項の研究対象に対応する三相系(メタン+ネオヘキサン+水系)の計算を行う前段階として,水和物が生成し得る条件のもとで純メタン+水系の大規模分了動力学シミュレーションを行い,気/液界面の状況を分了レベルで調べた. 3.高速生成実験:“噴霧・液膜衝突"と“二液対向噴流衝突"の二方式について実験的な検討を行った.前者については,HFC-32+デカンからの構造IIダブルハイドレートの生成実験に続いて,4MPa耐圧の実験装置の設計・製作を行い,さらにそれを用いてメタン+デカンの組み合わせについても予備的実験を行った.後者については,メタン+メチルシクロヘキサンからの構造H水和物の生成実験を行うと共に,長時間にわたる連続生成実験を可能とするための装置の改良を試みた. 4.連続生成の熱力学シミュレーション:本研究の担当者3名が先に共同で開発したシミュレーション手法の機能を拡張し,実際の天然ガスを正確に模擬する多成分ガスからの水和物連続生成プロセスについてシミュレーション計算を行った.特に,原料ガス中に100ppm程度のオーダーで含まれるイソペンタン等の重質成分が水和物生成に及ぼす影響を検討した.
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