研究概要 |
本研究の目的は,人の軟組織が運動の巧みさにどのように貢献しているかを力学的に解明することである.まず,軟組織の変形モデリングのために,動的なレオロジー変形を有限要素近似により定式化するとともに,変形過程の計測結果から変形モデルのパラメータを推定する手法を確立した.次に,軟組織のMR画像から内部変形を計算する手法を提案するとともに,軟組織のモデリング手法を基に人指の変形モデルを構成し,人指の変形をシミュレーションする手法を確立した.さらに,柔軟指のポテンシャルエネルギーを定式化するとともに,柔軟指により把持される物体の運動を制御する手法を提案した.提案する制御手法を用いると情報伝達の遅れに対してロバストに物体を操作できることを示し,それが柔軟指のポテンシャルエネルギーの性質に帰することを示した.
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