研究課題
5カ年計画の3年次に当たる平成22年度には、これまでの2年間に引き続き、大気圧プラズマリアクター性能改善開発を行ってきた。トリクレン分解実験においては、二酸化マンガン担持触媒の量を最大3gまで増加させると共に、それに伴うオゾン漏洩の低減、分解性能向上を実測することに成功した。また、水分(湿度)増加によってOHラジカル温度が中間状態でより高温になることをLIF観測から発見できた。特に、エネルギーが励起状態から分子に移動する際にこの傾向が顕著であることを見いだした。同様に、励起種計測においても、LIFあるいはTALIFによる計測をOHラジカル(248nm励起と281nm励起を相補的に実測可能である)の他に、窒素分子、窒素原子、酸素分子、酸素原子においても実行中であり、励起状態でのバランスから温度計測にも成功した。更に、CARS測定にも成功し、窒素や酸素分子の密度計測が可能となった。現在、燃焼との関係も検討中である。これら光学診断手法を実際のプラズマ診断に応用すべく実用リアクターにレーザ測定用の窓を設け、動作状態でのラジカル発生を計測すべく準備中である。また、大気圧グロー放電に対しても、実用的なプラズマジェットで吹き出したプラズマに対し、OHラジカルや窒素原子ラジカル計測に成功した。今後、他のラジカル生成と共に挙動を解決する予定である。同時に、プラズマシミュレーションにおいても、一次プラズマの進展、二次プラズマの発生を計算機でシミュレーションできるところまできている。実測値との比較検討もまもなくできると考えている。従って、研究は順調に進展中であり、予想を超える成果を上げている。
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Plasma Sources Science and Technology
巻: 19
Journal of Physics D : Applied Physics D
巻: 43
Plasma Sources Science , Technology
電気学会論文誌
巻: A130 ページ: 525-526