研究概要 |
高速で動作する有機電子光デバイスの実現を園的とし、今期は主に溶液プロセスで作製する素子を検討した。 1. 真空プロセスと溶液プロセスの両方の成膜プロセスが可能で、高移動度正孔輸送性アモルファス材料を用いた有機EL素子有機発光素子を作製しその発光特性を評価した。今期は真空プロセスで高移動殿電子輸送材料を導入することにより、発光輝度12,400cd/m^2,繰り返し周波数100MHzの高輝度、高速動作の素子を実現した。 2. 有機ELの高速化を検討するために、高移動度を示す電子輸送材料を導入したEL素子を作製して、素子パラメータの解析を行い、過渡応答特性との関係について詳細な解析を行った。その結果、キャリア輸送層の膜厚などの素子パラメータが大きく影響していることが判明した。 3. 有機発光素子における過渡応答特性を陰極構成から検討を行い、電子注入層として挿入する薄膜のフッ化物の効果の検討を行い、素子動作の解析を行った。その結果、電極材料と電子注入層との間で積層の順番が異なる素子で素子特性が大きく異なることが明らかになった。 4. 両極性の電気伝導特性を示すポリフルオレン系のポリマー材料を用いて溶液プロセスにより有機トランジスタを作製し、ポリマーのブレンドによる電気伝導性への影響、熱処理効果について検討を行い、発光トランジスタの電気伝導特性を検討した。 5. 有機受光素子における三重項材料の効果を調べるために高分子材料ポリ(9,9-ジアルキルフルオレン)およびその誘導体にドープし、スピンコート法により素子を作製した。受光感度とエネルギーバンド構造とのについて検討を行った。
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