研究課題/領域番号 |
20246078
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
濱田 政則 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30164916)
|
研究分担者 |
外崎 真理雄 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 木材特性研究領域長 (00353780)
吉田 雅穂 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (90210723)
沼田 淳紀 飛島建設株式会社技術研究所, 第二研究室, 第二研究室長 (10443649)
|
キーワード | 液状化 / 流動化 / 木材 / 地球温暖化 / 炭素貯蔵 / 二酸化炭素排出 / 振動台実験 / 腐朽 |
研究概要 |
本研究は、古来、建設分野で用いられた木杭を基礎地盤および液状化・流動化対策に活用するための技術を開発し、地震災害の軽減を図るとともに、大量の木材を地中に長期貯蔵することにより温室効果ガス削減に貢献し、さらに国産木材の生産・流通の活性化により森林の回復と保全に寄与することを目的とし、平成20年度には以下を実施した。 (1)約80年前に施工された高架橋基礎の木杭の堀出し調査を行い、杭頭部約40cmの埋戻し土で囲まれた部分以外は極めて健全な状態であることを確認した。また、1964年新潟地震における184の構造物の被害事例調査を行い、直接基礎に比べ木杭またはRC杭基礎で被害が少ないこと、また、地下室がある場合には傾斜の発生を抑制する傾向があることがわかった。 (2)縦1.5m×横1.5m×高さ1.0mの土槽に相対密度50%程度の地盤を作製し、直接基礎と木杭基礎の構造物を設置し振動台で加振する実験を行い、完全な液状化状態に至る過程において、木杭基礎構造物の沈下と傾斜は直接基礎構造物の場合より減少することが示された。 (3)縦5m×横20m×深さ4mの人工の軟弱地盤に丸太を打設した実物大の実験について、丸太生産時から丸太打設および盛土工事までにおける二酸化炭素排出量の計測と炭素貯蔵量の計測を行い、丸太生産や工事による二酸化炭素排出量よりも丸太による炭素貯蔵量が大きくなることを明らかにした。 (4)縦1m×横4m×高さ1.2mの土槽に木材腐朽を促進する土壌で地盤を作製し、そこに丸太を打設し地下水変動を発生させ木材腐朽を観測する実験、および、直径10cm×高さ12.7cmの塩ビ管に種々の土質と木片を入れ、ファンガスセラー試験に供する実験を開始した。
|