研究分担者 |
竹村 次朗 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40179669)
高橋 章浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40293047)
井澤 淳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70345388)
竹山 智英 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (00452011)
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研究概要 |
この実験では,一心円馬蹄形断面の都市トンネルを対象に覆工土圧,覆工曲げモーメントの初期分布,及び,地震を模擬した地盤のせん断変形履歴によるその分布の変化,また,そのせん断変形に伴うトンネル覆工の変形について地盤の緩みの有無が与える影響を遠心場静的せん断模型実験を行い検証した。模型地盤は乾燥砂地盤と,弱い固結力を持つ洪積砂礫層または堆積軟岩を模擬したセメント改良土地盤を対象とした。その結果,以下の結論を得た。 ・本研究の実験装置では,地表中央部まで入力変位は完全には伝達されない。土被り3D地盤において土槽枠水平変位の5~7割程度,1D地盤においては,1〜3割程度しか変位が伝達されず,土被りが低くなるほど変位が伝達されにくくなる傾向がある。 ・トンネル覆工側壁部とインバートの接合条件をピン構造にすることで,せん断時発生曲げモーメントは多少大きくなるが,端部のモーメントを大幅に低減できる可能性がある。 ・乾燥砂地盤とセメント改良土地盤の相違点は,比較しうる因子が多く,また,それらが相互に関係しているので一概には理由付けできないが,以下の傾向がえられた。モーメントの初期分布は,セメント改良土のほうが大きい値を示し,モーメントのせん断増分は乾燥砂地盤のほうが大きい。せん断時のモーメントの絶対量は,分布形状が違うもののセメント改良土地盤のほうが小さい。 ・本実験において,都市NATMの設計において想定している緩み土圧相当の初期条件を再現することができた。また,この緩み土圧はせん断履歴を受け,地盤のアーチ効果が解消されることで解消される。つまり,地震等のせん断履歴により,設計で仮定している初期外力分布が変化する可能性があることを示した。 一方で,次年度以降に基盤層の断層変位による固結力が弱い上部地山の変形挙動とトンネル構造物に与える影響の解明するため,遠心模型実験用断層シミュレーターの開発を行った。
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