研究課題/領域番号 |
20246086
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 滋穂 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (10135535)
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研究分担者 |
田中 周平 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (00378811)
内海 秀樹 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (10293896)
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キーワード | ペルフルオロ化合物 / 分析法 / 水環境中動態 / マスフロー / 上下水処理場 |
研究概要 |
本研究は、新規残留性有機汚染物であるペルフルオロ化合物PFCsの流域内物質循環を主要テーマとし、その水環境および産業社会活動中の動態を検討するものであり、その結果に基づき、ヒトへのリスク評価・低減シナリオ提案を目指すものである。 研究初年度の平成20年度においては、以下の研究成果を得た。 (1) PFCsの一斉分析条件の検討:C鎖4〜12のPFCsの一斉分析を検討し、C鎖6以下のPFCsは、カートリッジによる捕集が不十分で回収率が低いこと、C鎖10以上は器具類への吸着が大きく誤差を生むが十分なメタノール洗浄で回避可能なことが分かった。 (2) 共存有機物による分析妨害低減の検討:下水等共存有機物が多い試料でのその分析妨害低減のため、a)ウルトラフィルタとEnvi-Carbフィルタなどによる前処理、b)過マンガン酸カリウムによる分解試験、c)複数固相カートリッジの組み合わせなどの方法を検討し、他有機物を高濃度で含む試料でもPFCsを高精度で分析するための測定手順を確立した。 (3) 水環境中での動態調査:国内においては、淀川水系、北上川水系、海外でもChaopraya川などいくつかの水系で調査を行い、PFCsの動態を検討した。これらデータは、前年度までに蓄積した他水系データをと総合解析し、その濃度レベル影響因子を検討する。 (4) 都市水環境での水循環調査:上記水系を中心として、水道、下水処理場で調査を実施した。PFCs濃度レベルは、測定場所や日時、さらにPFCs化合物種によって、種々のパターンはみられるものの、全体傾向として、浄水場・下水処理場ともPFCsの除去にあまり効果がないことが示された。 (5) フッ素関連会社と関連企業間の産業連関構造解析:マクロレベルでのPFOS量動向を半導体(フォトレジスト)を事例とした検討し、産業連関表(2000)にある401部門のうち、54部門において間接的なPFOS利用が認められ、部門によるPFOS量の多寡を把握することが出来た。
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